キミ 第14話
2009'07.18 (Sat)
ひときわ大きい花火が上がったちょうどそのとき、俺はベンチに座っているニコフの姿を見つけた。
ぼーっと上を見上げているニコフに近づくと、こちらに気づいたらしい、ニコフは眇めた目で顔を向けた。
(ニコフ……だ)
当たり前だけど、久しぶりに会えた実感が沸いて思わず顔が緩む。もっと近くで顔が見たくて一歩だけ近づいてから、まだぼーっとしているニコフに声をかけた。
「よう、ひさしぶり」
我ながらそっけない言葉だと思ったが、気の効いた言葉なんて出てこない。
ニコフはしばらくじっとこちらを見ていたが、数秒後にうれしそうな微笑を浮かべて立ち上がった。
「キッド……っ……ひさしぶり」
「あ、座ってていいぞ、疲れてるんだろ」
そういってニコフをベンチへ押し戻す。そうすると自分だけ立っているのも妙なので、自然と隣に座る形になった。
(う……わ、これは緊張する)
久々の再開だ。それに加えてこの距離はこれからしようと思っていることを考えると近すぎる。
「本当に、ひさしぶり。……半年ぶりくらいかな……?」
「ああ、そうだな春に一回会ったもんな!」
「あの時は……お花見だった」
「そうそう、呑み比べでエル・マタドーラが無茶して酔いつぶれて大変だったよな〜。残ったのは王ドラとドラえもんだったけど、この二人は結局決着つかなくて」
「キッドは早くに抜けた……?」
「ああ、俺酒あんまり飲めないから。……ニコフはいい線いってたよな?」
「お酒は……強いほうだと思うけど……少しずつゆっくり呑むのが好きだから」
「あー、あの二人速さも量もはんぱなかったもんな〜。はは、でもニコフらしいのみ方だな!」
そういって顔を向けた瞬間、どきっと胸がなった。
ニコフは今まで見たことが無いほど、やさしい微笑みを浮かべていた。
(あ……れ……?……なんで今……こんな顔……)
「会えて良かった……こんなに映画の影響があると……思ってなかったから」
今日はもう会えないかと思った。と、嬉々として語るニコフの姿に、思わず胸が熱くなった。
(だって今のって、俺に会えてよかったって、言ってるみたいだ)
だめだ、乙女思考過ぎる。こんなんじゃだめだぞ、俺。へんな期待はするなよ、俺。こんな調子じゃいえないぞ、俺。
『まあ、今日言えなかったら一生言えないだろうから、がんばれよ』
さっき軽い調子で言い放ってくれたエル・マタドーラのこの言葉は的をついている。
今、言えなかったら。
この先ずっと、言えない。
俺は覚悟を決めるために、ぎゅっと拳を握りしめた。
ぼーっと上を見上げているニコフに近づくと、こちらに気づいたらしい、ニコフは眇めた目で顔を向けた。
(ニコフ……だ)
当たり前だけど、久しぶりに会えた実感が沸いて思わず顔が緩む。もっと近くで顔が見たくて一歩だけ近づいてから、まだぼーっとしているニコフに声をかけた。
「よう、ひさしぶり」
我ながらそっけない言葉だと思ったが、気の効いた言葉なんて出てこない。
ニコフはしばらくじっとこちらを見ていたが、数秒後にうれしそうな微笑を浮かべて立ち上がった。
「キッド……っ……ひさしぶり」
「あ、座ってていいぞ、疲れてるんだろ」
そういってニコフをベンチへ押し戻す。そうすると自分だけ立っているのも妙なので、自然と隣に座る形になった。
(う……わ、これは緊張する)
久々の再開だ。それに加えてこの距離はこれからしようと思っていることを考えると近すぎる。
「本当に、ひさしぶり。……半年ぶりくらいかな……?」
「ああ、そうだな春に一回会ったもんな!」
「あの時は……お花見だった」
「そうそう、呑み比べでエル・マタドーラが無茶して酔いつぶれて大変だったよな〜。残ったのは王ドラとドラえもんだったけど、この二人は結局決着つかなくて」
「キッドは早くに抜けた……?」
「ああ、俺酒あんまり飲めないから。……ニコフはいい線いってたよな?」
「お酒は……強いほうだと思うけど……少しずつゆっくり呑むのが好きだから」
「あー、あの二人速さも量もはんぱなかったもんな〜。はは、でもニコフらしいのみ方だな!」
そういって顔を向けた瞬間、どきっと胸がなった。
ニコフは今まで見たことが無いほど、やさしい微笑みを浮かべていた。
(あ……れ……?……なんで今……こんな顔……)
「会えて良かった……こんなに映画の影響があると……思ってなかったから」
今日はもう会えないかと思った。と、嬉々として語るニコフの姿に、思わず胸が熱くなった。
(だって今のって、俺に会えてよかったって、言ってるみたいだ)
だめだ、乙女思考過ぎる。こんなんじゃだめだぞ、俺。へんな期待はするなよ、俺。こんな調子じゃいえないぞ、俺。
『まあ、今日言えなかったら一生言えないだろうから、がんばれよ』
さっき軽い調子で言い放ってくれたエル・マタドーラのこの言葉は的をついている。
今、言えなかったら。
この先ずっと、言えない。
俺は覚悟を決めるために、ぎゅっと拳を握りしめた。







